情報があふれ、毎日が慌ただしく過ぎていく今。
「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い立てる一方で、自分の心と向き合うひとときは、意外と少ないのかもしれません。
クレエニイガタが注目したのは、暮らしのなかで意識したい「余白」。
ここで言う「余白」とは、「何もしないこと」「立ち止まること」を通じて、自分のありのままを見つめ、これからの日々を育てるための大切な時間です。
「『余白時間』で自分らしくすごす『むら』」をコンセプトに営業する、新潟市江南区の古民家カフェ&シェアアトリエ「Nolla Mura(ノーラ ムラ)」の山口真奈(やまぐち まな)さんを迎え、心地良く生きるための余白のあり方を見つめていきます。
北欧と日本の価値観が交わる、小さな居場所「ノーラ ムラ」

まずは、ノーラ ムラが生まれた背景から。
ノーラ ムラは、日本茶カフェやシェアアトリエ、ライフデザイン対話を通して、「誰もがありのままの自分で過ごせる居場所」を目指しています。
運営する山口さんは、新潟県関川村出身の28歳。東京で就職した後、静岡、鹿児島、長野と各地で暮らし、宿泊業を通じて地域づくり、地域の魅力発信、キャリア支援に携わってきました。

さまざまな土地で暮らすなかで、「北欧の自由なキャリア形成」と「その地域が大切にしてきた文化や暮らし」を掛け合わせた場所を、まずは新潟につくりたいと思うようになったと語ります。
「Nolla(ノーラ)」はフィンランド語で「ゼロ」。
何もない状態とは、新しい可能性が始まる原点。 その考え方は、ノーラ ムラが大切にする「余白」というテーマにもつながっています。
「余白」=自分らしく生きるための時間

山口さんが余白という言葉を意識するようになったのは、ノーラ ムラのコンセプトを考え始めた頃。しかし、その感覚そのものは、以前から“心の平和”という言葉で大切にしてきたものでした。
茶道やヨガを通して育んできたその感覚が、より切実なものになったのは、鹿児島で働いていたとき。
接客をしながら翌日の広報業務を考え、気を失うように眠る毎日――
「自分が自分ではないような感覚でした」と振り返ります。
そんな日々を支えたのが、数カ月に一度の「何もしない旅」でした。
新潟へ戻り、会社員を辞めて開業準備を進めた時間は、人生の「キャリアブレイク(一時的に仕事から離れ、これからの働き方や生き方を見つめ直す期間)」にもなったといいます。
山口さんが考える余白には、2つの形があります。
一つは、働き方や生き方を見つめ直すキャリアブレイクのような人生単位の余白。
もう一つは、お茶を淹れたり深呼吸をしたりと、日常で心を整える小さな余白です。
どちらも、等身大の自分を見つめ、受け入れながら“心の平和”を保って暮らすために欠かせない時間なのです。
余白は、特別なものじゃない。自分でつくるもの

朝の一分間、姿勢を整えて深呼吸をする。
急須でお茶を丁寧に淹れる。
家族や友人と、他愛ない対話を楽しむ。
そんな何気ない時間も、暮らしを整えるひとときになります。
「ただゆっくりと過ごす時間に罪悪感を抱く人も多いですが、私は究極の贅沢だと思っています。その時間があるからこそ、新しい気づきが生まれ、未来の自分へとつながっていく。
ほんの一分でも深呼吸をする。周囲との対話を楽しむ……
そんな小さな時間が、自分自身を整え、心にゆとりを取り戻すきっかけになります」
忙しい毎日だからこそ、立ち止まり、自分の心の声に耳を澄ませる。
その小さな積み重ねが、暮らしを豊かなものへと育ててくれるのかもしれません。
新連載「余白をつくる」では、これから一年を通してノーラ ムラ山口さんと一緒に自分らしく心地良く暮らすヒントを探していきます。
忙しい毎日のなかで、あなたにとっての「余白」とは何か。
その答えを、一緒に見つけていきましょう。
DATA
Nolla Mura/ノーラ ムラ
新潟市江南区丸潟1-4-17
Instagram|@kominka_nollamura