新潟には、豊かな発想でまちをおもしろく彩る、バイタリティーあふれる女性がたくさんいます。
「何とか彼女たちの魅力を伝えたい……」そう考えていたとき、『自分で「始めた」女たち(グレース・ボニー著)』という本を手にして、今回の企画が思い浮かびました。
いつだって笑顔が素敵な彼女たちは、日々どんなモノや時間で、自分をごきげんにしているのか。
モチベーションを上げるのに欠かせない、みんなの“ジブンご褒美”を聞く新連載「ごきげん採集」。
第1回に登場するのは、中学生の頃から古町のストリートカルチャーを愛し、デザインでまちに新たな表情を生み出すデザイン事務所「RUP(ルピー)」の亀山春花さんです。
RUPの亀山さんって、どんな人?

亀山 春花/Kameyama Haruka
1987年、新潟市生まれ。
14歳の頃、古町にある「hickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)」(現・合同会社アレコレ)と出合い、その自由なものづくりに心を動かされる。
16歳で写真の面白さを知り、長岡造形大学に進学。卒業後の2010年、憧れだったhickory03travelersへ入社。デザインや企画制作など、幅広い仕事に携わる。
2022年に長女を出産。勤続15年を迎えた2025年、独立を決意。デザイン事務所「RUP」を立ち上げた。
現在は「にいがたまちあそび学校KAIKOU!」をはじめ、地元企業のWebサイトやグラフィックデザイン、ショップグッズの制作など幅広く手がける。
最近では、クリエイター仲間らと共に、自主作品を発表する「チーム自主練」の活動にも参加。
このとき手に持っていたのは、娘のヒナギちゃんが描いた絵をプリントしたオリジナルグッズ!
RUP亀山春花のごきげん採集|音楽

デザイナーとして独立したばかりの亀山さん。自分をごきげんにするために大事にしていたのは、「音楽に触れる時間」です。
ライブやフェスへ足を運び、その場の空気や音に身を委ねる時間は、昔から変わらない楽しみ。しかし、出産を機に生活は一変します。
「母親だから」と自分に言い聞かせ、好きなものより子どもとの時間を優先してきた数年間。転機になったのは、家族で訪れた今年のフジロックでした。
不意に夫から、「見たいライブ、見てきていいよ」と声をかけられ、一人で音楽を楽しむ時間を過ごした。その瞬間、ふっと肩の力が抜けたといいます。

「誰かに止められていたわけじゃなくて、自分で自分に“かせ”をかけていたんだなって気づいた。夫のその一言で、本当の意味で産後が終わったような気がしました」
子どもを大切に思うことと、自分の好きなことを諦めることは別の話。
あの日を境に、「母親だから」と自分を縛ることが少しずつなくなっていきました。
「コロナ禍に妊娠していたのもあるけれど、諦めなきゃいけないことが本当にたくさんあった。出産も一人だったし。立ち合いもなかった。
最近ようやく、諦めていたものを取り戻していっている感覚があります」
これからも、自分らしく。マイペースに
独立した今、「事務所を大きくしたい」というよりも、「自分らしくデザインを続けたい」という想いが強い亀山さん。
「無理に背伸びするんじゃなくて、自分が面白いと思える仕事を、自分のペースで続けていけたらいいなって思います」
仕事も暮らしも、どちらかを犠牲にするのではなく、その時々の自分にとって心地いいバランスを探していく——
デザインも、子育ても、音楽も。どれも特別なものではなく、自分をごきげんにするための大切な要素だ。
「先のことは全然考えてないかも(笑)。考えても、どうなるかは分からない。
これからも、メディアとか、カルチャーっぽいものにできるだけ触れていられたらいいな」
そんな亀山さんの姿勢が、自分らしく働き、自分らしく暮らすヒントを教えてくれました。